


新聞奨学生は、学校に通いながら配達業務をすることで、新聞会社が学費を負担してくれるというもの。
そこだけ聞くと良く聞こえますが、実際の中身を知っている人はあまりいません。
本記事では、日経新聞の奨学生として4年間やってきた経験者が体験談をもとにリアルな話をお届けします。
この記事を読んで、新聞奨学生を考えている人たちの、何か参考になってくれたら嬉しいです。
この記事の内容
- 経験者が語る新聞奨学生の実態
こんな人が書いています
- 上京歴10年目の九州男児。
- 新聞奨学生を4年間経験
- 「上京男子」と「アコギの部屋」の2つのブログを運営中。
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新聞奨学生ってどんな制度?
大学や専門学校の「学費の問題」に悩む人は多く、その悩みを抱えた人の強い味方として、奨学金制度というものがあります。
奨学金は様々な団体が制度を設けており、大学や専門学校に通う学生の約38%が利用。
その中の一つに「新聞奨学生制度」という奨学金制度があります。
学校に通っている間、新聞配達業務をしたら学費を新聞会社が肩代わりしてくれて、返済は不要というものになります。
新聞奨学生を選んだ理由

僕は、音楽専門学校の2年間、そして俳優の養成所の2年間の計4年間を、日経新聞の新聞奨学生制度を利用して過ごしました。
新聞奨学生を選んだ理由は、学費の面で親には迷惑をかけたくないと決めていたから。
奨学金を利用しようと思って色々調べていたところ、この制度の存在を知り利用しました。
この4年間は色んな意味で、20代の中の1番濃い時間を過ごした時期でもあります。
そんな新聞奨学生の一日の流れを、僕の生活をもとにお伝えします。
新聞奨学生の1日の流れ

2:30~起床
新聞の朝は早いです。
僕は朝は強いほうだったのですが、それでも慣れるまでは起きるのがめちゃしんどかったです。笑
販売所の上に寮がありそこに住んでいたので、着替え終わったら降りて新聞が来るのを待ちます。
3:00~新聞到着&折り込み
新聞が来る時間は販売所の場所などで変わってくると思いますが、僕のところは大体3時前後でした。
選挙がある日や天気が悪い日などは30分〜1時間ほど遅れます。
雨や雪の日などは、新聞が濡れないようにラッピングの機械を使って、1部ずつ新聞にビニールをかけていきます。
3:30~配達開始
まだ街も深い眠りについている静かな街の中、バイクにまたがって配達スタートします。
僕が配っていたところは朝刊が350部前後ありましたが、住宅街で団地も多くなかったので比較的配りやすい区域でした。
そして配達には、順路帳というものが欠かせないです。
お客さんの名前とその家までの順路が、記号で記されてあり(全て手書き)、それを頼りに配達していきます。
ちなみにこの順路帳はお客さんの個人情報の塊で、もし失くしてしまったらヤバイ事になります。
なので、順路帳は基本的に新人時代の最初の1ヶ月ぐらいしか持ちません。
それ以降は覚えて持つ必要がなくなるので、リスクを取ってまで持ち出すこともしません。
配達のクレーム
お客さんによっては何時までに新聞を届けて欲しいと時間指定されてたりします。
そこに間に合わなければ「遅配」、新聞の投函し忘れでお客さんに新聞が届かなければ「不着」としてカウント。
「遅配」も「不着」もお客さんからのクレームとして扱われるので、配達で1番気をつけなければならないとこです。
とは言っても、基本的には同じエリアをずっと配ることになります。
なので、もし新聞が余ってしまって「どこか入れ忘れた…」となっても、これが中々思い出せないんです。笑
6:00~配達終了&朝食
僕は大体1時間半から2時間ぐらいで配達を終えていました。
終わったら寮母さん(所長のお母様)が作ってくれた朝食を食べます。
ご飯食べ終わった後は30分から1時間ほど仮眠をとって、学校に備えて準備をします。
ちなみに、お客さんから不着の連絡が来るのが大体7-9時ぐらいの間。
電話きたエリアの担当者は、ご飯を食べていようが仮眠をとっていようが、新聞を届けなければいけません。
なので新聞が1余ってしまった人は、朝の時間帯は電話がくるんじゃないかとドキドキしながら、この時間帯を過ごしています。笑
11:00~学校
僕の通っていた学校は選択式の授業スタイルで、大体11-14時の間に授業を受けてきました。
学校の仲間には、同じ新聞奨学生で頑張っている仲間も何人かいました。
同じ新聞会社であれば、違う販売所の話を聞いてみると、自分の働いてる販売所とは待遇や仕事の内容が違ったりします。
同じ学校に同じ境遇がいるのはとても心強く、よくお互いに愚痴ったり相談しあったりしていたりもしました。
15:00~夕刊配達
学校から帰ってきて、すぐに夕刊となります。
朝刊より部数も少なく厚みもないので、比較的楽に感じます。
たまに1枚だけ夕刊にチラシを入れて欲しい、ということがあったりするのでその時は手入れをしてから配達スタートします。
朝刊の時と比べると人も車も多くなっているので、そういった意味では多少配りにくく、事故のリスクも高まります。
17:00~夕刊終了&夕食
夕刊が終わったあとは、最後の業務があります。
- 新しく新聞が欲しい
- 新聞を解約します
- 一時的に新聞をお休みしてほしい
こういったお客さんの情報を記録帳に記入して、その日1日の業務が終了します。
その後は寮母さんが作ってくれたご飯食べて、お風呂に入り寝るまでが自由時間となります。
22:00就寝
最初の頃は、遅くても22時には寝るようにしていました。
慣れてくると0時過ぎるまで起きてたり、寝ずにそのまま朝刊配ったりしていた時もありました。笑
そして、また朝刊が始まる。
音楽と役者の学校で少し違いはありますが、大体こんな流れで四年間をすごしてきました。
新聞が休みになるとき
新聞は基本的に朝刊夕刊がありますが、下記のように配達がない日時もあります。
- 日曜祝日は朝刊のみ
- 月に一回ある休刊日は夕刊のみ
- 朝刊夕刊両方ともない丸一日休みは1月2日のみ
配達員も大変ですが、こう考えると新聞会社本体もめちゃくちゃ大変ですよね。
新聞奨学生はどんな人に向いているのか

途中で学校を辞める人もいる
ほとんどの人が大体2~4年間を新聞奨学生として過ごします。
その途中で学業と新聞の両立が難しくなり、結果的に学校を辞める人が僕の周りにも何人かいました。
学校を辞めても新聞を辞めないのは、2年間の学校を2年未満で辞めてしまった場合、払ってもらったお金の全額返済が必要だから。
なので学校は辞めても、新聞をやり続ける人がほとんどでした。
そして、そのまま新聞販売所の社員になる人も結構いたりします。
新聞が休まない限り配達はある。
あとは、雨が降っていようとも雪が降っていようとも、災害が起ころうとも配達します。
販売所によって、そういったときの対応や労働環境が変わってくることもあります。
2019年に関東を襲った台風19号の時は、Twitterでも新聞配達員の配達業務に対するつぶやきをいくつか見かけました。
過去最大級の台風がをきてたわけで、朝刊配達業務を休みにするところもあれば、通常通りに配達したところもあったみたいです。
ネットにはブラックなことを書かれている
ネットで新聞奨学生のことを調べると、大体ブラックなこと書かれてることが多いです。
僕が配属されていた販売所はネットで見かける奴隷のような環境とかではありませんでした。
しかし、パンフレットに記載されていた通学にかかる、交通費を支給してくれないという事はありましたね。
パンフレットはあくまでも奨学会が定めているもので、そこに対してどう対応していくかは、販売所の所長次第だからです。
基本的には入学する学校から近い販売所が選ばれるみたいですが、 奨学生が所属する販売所を選ぶことができないのです。
なので、入ってみるまではどんな待遇の販売所に当たるか分からないのが現状です。
意思が固い人は続けられる
厳しい世界ではありますが「自分の目的が明確で絶対にやり遂げる!」という意思の強い方は向いてるかと。
多少朝が弱くても、仕事で辛い思いをしてもやり遂げられると思います。
正直僕も何度も辞めたいと思ったことがあります。
辛いことが多い分、やり終えたときの達成感はめちゃくちゃありましたし、今でも経験しておいて良かったと思っています。
けど一つ言えるのは僕も強くおすすめできるか、と言われると決してそうではないです。笑
なので、最終手段として検討してみることをおすすめします。
そして、こういった環境の中でも自分の意思をブラさずにやっていける自信がある人は、受けてみる価値はあります。
新聞奨学生は大変なことが多いが、人生の財産にもなる
新聞奨学生に限らず、辛い経験を20代、特に前半のうちに経験しているとでかいです。
そこで得たものは今後の人生においてとても大きな財産になるとこは間違いないありません。
やらないで後悔するより、やりたいと思ったことはやっていたほうがいいです。
この記事が奨学金に悩んでいる方の力に、少しでもなってくれたら嬉しいです。
このブログでは上京しようか迷っている人や、上京してからのアルバイト探しなどいろいろな記事を書いてるので、ぜひ合わせて読んでみてください。
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それでは今回はこのへんで!!
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